
関西国際空港は、増大する航空需要と航空機騒音問題に対処するため「公害の無い、地域と共存共栄する空港づくり」を原点として、泉州沖5kmに建設され、平成6年9月の開港以来14年が経過した。平成19年8月2日に新たに第2滑走路がオープンし、4,000m級複数滑走路と完全24時間運用という国際標準に適った日本初の空港として、さらなる発展を遂げようとしているところである。
関西国際空港は、成り立ちそのものが、騒音という、空港にとって根幹的な環境問題にあることから、平成13年6月に、空港島全体を対象範囲として策定した「関西国際空港環境管理計画(エコ愛ランド・プラン)」にもとづいて、航空機騒音の低減、廃棄物の減量化、GPU(地上電源装置)の利用促進、低公害車の導入、テレビジョン電波受信障害対策、藻場の造成、継続的な環境監視など、30項目にも及ぶ様々な環境施策目標の達成に取り組み、その成果を「エコ愛ランドレポート」で毎年報告してきた。また、平成20年1月に発表した「KIACグループ企業行動憲章」においても「環境保全・創造への積極的取り組み」を位置づけている。
社会全体の動向に目を向けると、地球温暖化の防止に向けたCO2削減対策や循環型社会の構築に向けた方策など、地球環境問題に対する取り組みがますます強く求められるようになってきている。平成12年に制定された「循環型社会形成推進基本法」をはじめとした「リサイクル関連六法」において、国として、循環型経済社会システムの構築に向けた取り組みを強化していくとされており、また、平成18年4月に策定された「第三次環境基本計画」では、環境的側面、経済的側面、社会的側面の統合的な向上を目指し、政府レベルで目標を定めて取り組みを進めていくだけでなく、地方公共団体や企業、国民などのあらゆる主体が、それぞれの役割を果たすことが求められている。
さらには、平成17年2月に「京都議定書」(2008年~2012年において1990年比で6%のCO2排出量の削減)が発効するに至り、同年4月に「京都議定書目標達成計画」が策定され、各主体の取り組みが求められている。
空港に関連しては、平成12年9月に運輸政策審議会環境小委員会において、「循環型空港」実現の必要性が確認され、平成14年12月の交通政策審議会航空分科会の最終答申において、「従来の周辺対策事業に加え、空港整備・管理運営に伴う環境負荷をさらに軽減するための施策を一体的に実施していく必要がある」とし、国土交通大臣が設置管理する空港を対象として、平成15年8月に「エコエアポート・ガイドライン」の空港環境編が(平成18年3月改訂)、平成17年7月には周辺環境編が、それぞれ策定されている。
このように、あらゆる主体に役割が求められている国全体における環境政策の展開のもと、今後の空港運営においては、21世紀を共に生きる一事業者として、複雑・多様化する環境課題に対して、さらに自発的・積極的に取り組んでいく必要がある。
第2滑走路の供用開始年である平成19年度に、「関西国際空港環境管理計画(エコ愛ランド・プラン)」の計画期間の満了を迎えたが、今後の空港機能の維持と環境の調和に向けた取組みをさらに効果的に進めるため、地域環境と共存し発展していくとともに、地球環境的視点に立った「人と自然にやさしい空港」に向けた新たな指針づくりが求められている。
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